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英国も強行態勢に? いまこそ日本にできる役割を。
7月24日にイギリスの新首相に保守党のボリス・ジョンソンさんが就任しました。これまで、ロンドン市長や外務大臣を務めてきており、EUからの離脱に関して「ハード・ブレグジット(合意なき離脱)」も辞さない考えを掲げています。これまでEU圏内はひとつの大きな国のように、関税を設けず、移動や就学、就労も自由でした。EUとの条件が調わないまま10月末に離脱が決まると、それらに制限がかかり、流通が混乱し、イギリス国内の食料や医療品不足が予測されています。
ジョンソンさんは、イギリスの経済や産業の停滞、移民問題など、国民の不満をうまく取り込み、「強いイギリスを!」と復古主義的なことを主張し、支持を集めてきました。「イギリスのトランプ」ともいわれており、トランプ大統領からも絶賛され、アメリカとも良好な関係を築いています。
EUからの離脱がうまくいけばよいですが、合意なき離脱をむかえた場合、イギリス国内の現状を見るかぎり、経済はおそらく混乱に向かうでしょう。そうなると、その状況を打開するため、対外強硬策に出る可能性が高まります。
いまは中東が不安定な状態。トランプ大統領は、中東・ホルムズ海峡の安全な航行のために、「有志連合」の結成を先進国に呼びかけています。結束して、軍事行動や平和維持活動を共にしようというもの。ホルムズ海峡は、日本にとっても大事なエネルギー源である石油の輸送に不可欠な場所。ここが紛争により封鎖されれば、日本国内の生活も混乱を来しますから、安全を確保することは必須。しかし、日本は友好国であるイランを刺激したくはありません。イギリスは8月に有志連合への参加を表明。オーストラリアもそれに続きました。この状況のなか、日本はどういう役割を演じられるのか?
アメリカとイランの対立のもとは、イランの核開発を巡ってのトラブルです。日本は被爆国として、「私たちの使命は核廃絶です」という明確なメッセージを掲げて、対立する両国の間に入ることができればよいのですが。いまこそ平和憲法を掲げる日本にしかできない、戦争を回避する方法を考えるべきときなのではないでしょうか。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN
※『anan』2019年9月18日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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