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【ペンになってもいいですか!?】vol. 97
豊洲PiTで行われた今回のコンサート。その特徴は、新曲がとても多かったことと、MCにたっぷり時間を割いていたこと。兵役まであと5日ということで、ギグァン自身が制作した曲と彼の思いが詰まった言葉が、ファンへの最高の贈り物になった。
情熱的な真っ赤な衣装で登場したギグァンがオープニング曲に選んだのは、日本初公開となった「She’s Bad」。しなやかな肉体から繰り出される、流れるようなダンスでファンの心をがっしり掴んだ。
今年発表したミニアルバムと、コンサートのタイトルにもなっている『I』からは、「Lonely」「Don’t Close Your Eyes」「Mood」「Missing You」の全4曲を披露。「入隊を控え、かっこいい姿を見せたい」と思い準備したアルバム。「全曲で作詞作曲、大部分の振付を手掛けました」と語ると、その努力を称えるかのように温かい拍手が起こった。すると「一生懸命、生きてきました」と日本語でチャーミングに返すギグァン。
日本語については「独学で勉強して、軍隊から戻ってきたら違う次元のギグァンを見せる」と宣言!「やると言ったらやる男です。できないかもしれないですが、努力はしてみます」と笑わせた。
クール&セクシーな「Don’t Close Your Eyes」はリード曲だけあって、ファンの掛け声もバッチリ。MV撮影前夜にお気に入りの靴を履いていこうと靴箱を開けた瞬間、腰を痛めてしまったエピソードを明かした。しかし、そこはさすがプロ。「苦痛に耐えながら、みなさんの笑顔を想いながら完成させました」
今回のコンサートでは新曲もたくさん披露。新鮮なセットリストでファンを沸かせた。その多くは、デジタル配信で届けると語っていた通り、新曲のひとつ「Nothing」はコンサート後にさっそく公開された。
同じく新曲の『I’m Down』は、日本のアニメ映画『君の名は。』からインスピレーションを受けたそう。「R&Bテイストの曲を作ろうとしたんですが、どこかで聴いたことのあるようなものになってしまい、普段からサントラを聴いている『君の名は。』から受けたインスピレーションを取り入れてみたら、いい感じに仕上がったんです。ポカンと穴が開いているというか、僕が感じた “空白の美” をみなさんにも感じ取ってもらえたら」
イ・ギグァン名義のファーストソロアルバム『ONE』のタイトル曲、「ONE」が始まると、「君と一緒にする新しい春を待っているよ」と書かれたスローガンによるサプライズイベントが行われた。歌の途中にも関わらず、腰をかがめてじっくり見入るギグァンの顔に笑みがこぼれた。最後の挨拶でも、スローガンに使われた “春” という言葉が、とても印象的。
「入隊まであと5日。急に言い出すと時間がないような気がしますね。僕が心から思うのは、みなさんとお会いする時間を持てたことが、何よりの幸せです。僕は春に生まれたので、春が好きです。日本で気分良く桜も見られ、美しい春に入隊します。こうして過ごしている大切な時間を美しい記憶として残してください」
会場からは、ファンのすすり泣く声も聞かれたが、本人は柔和な笑顔のままコンサートを締めくくった。そして、4月18日、入隊したギグァン――。次に会える春がやってくるのが、今から待ち遠しい。
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