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悪口に同意を求められた→相手の意見を繰り返すことで、否定も肯定もしない。
「軽い気持ちで同意してしまうと、後々、『○○さんもそう言ってたよ』と面倒ごとに巻き込まれてしまう可能性があります。うまく切り抜けるためには、否定も肯定もせず、はぐらかしましょう。『そんなこと気づきもしなかった』という態度を見せるのも上手な逃げ方です。露骨に否定的な態度をとると、空気が悪くなるので注意」
【例文】
相手「○○さんって最近ちょっと態度悪いと思わない?」
×「うーん、そう言われれば確かにそうですかねぇ」
○「え、そう感じることがあるんですね、気づかなかったです」
カチンとくるような発言をされた→勝ち負けの発想を捨てて、売り言葉に買い言葉を防ぐ
「ここでのポイントは、相手の言葉を真に受けないこと。過剰に受け止めてしまい、不機嫌になると周囲の空気も悪くなってしまいます。また、応戦することで関係が修復不可能なほど悪化することも。さらっと受け流しつつ、明るく切り返すことで、ケンカに発展することが防げます。セクハラ発言も同様に、適度に聞き流して」
【例文】
相手「え? その年でまだ実家に住んでいるってまずくない?」
×「そんなの、人の勝手だと思いますけど!」
○「そうなんです。貯金をしたいので、そのほうが効率的かなと思って!」
相手の考えや本音を知りたい→「なんで~なの?」は、質問でなく詰問になる。
「『なんで』『どうして』で始まる聞き方は、詰問や尋問のような印象を与え、相手を追い詰める恐れが。質問の目的は、話を聞き出すこと。そのためには、感情的にならないように注意して、単刀直入に『教えてほしい』と伝えましょう。答えを促すときには「~じゃない?」とズバリと突くのも有効。大切なのは、答えやすい空気感作りです」
【例文】
×「前も言ったと思うけど、なんでいつも期限を守れないの?」
○「期限を守れないことが続いているけど、何か理由があれば教えてくれる?」
聞きづらいことを尋ねたい→枕詞を使って、“言っても大丈夫”という空気を作る。
「聞きづらい内容は、相手に“言ってもいいかも”と思わせることが重要。そこで使えるのが、『差し支えなければ』『もしよければ』『遠慮なさらずに』といった枕詞。相手に“答える”“答えない”の選択肢を与えたうえで、こちらが受け止めるスタンスであることを伝えられるので、本心を打ち明けてくれる可能性も高まります」
【例文】
×「正直な話、何がダメだったんでしょうか?」
○「差し支えなければ、どこが問題か、今後のためにも教えていただけますか」
戸田久実さん アドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントや心理学をベースとした研修や講演を行い、講師歴は27年。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)など著書多数。
※『anan』2019年4月17日号より。取材、文・五十嵐 大 ©metamorworks
(by anan編集部)
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