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【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 3
深夜のコンビニ
知りたくない度★★☆
【P.N チバにゃん・女・会社員】
狭いアパートの一室で、独り暮らしをしています。その日は会社の棚卸作業で遅くなり、帰宅する頃には夜の11時を過ぎていました。
帰宅前、お腹が空いたので帰り道にあるコンビニに寄りました。買い物を済ませて店を出る時、突然、軽いめまいがしました。
「ちょっと疲れがたまっているのかな……?」
家に着くと、さっきまでの食欲はどこかに失せていて、それよりも身体がどっと疲れていることに気がつきました。
「今夜はもう、さっさと入浴して早く寝よう」と思いました。
シャワーを浴びている間のことです。
「……?」
なぜか急に、人に見られているような視線を感じました。でも浴室は狭いユニットバスで、換気扇がひとつあるだけで窓はありません。
「気のせいか……」
でもふと見ると、浴室のドアがほんの少し開いていました。
「あれ? しっかり閉めたと思ったのにな……」
その時はそれほど気にしませんでした。
その夜のことです。深夜2時頃だったでしょうか。寝室で寝ていると目が覚めたのですが、
「何これ…これって金縛り!?」
そう思って、何とか身体を動かそうとしましたが、どう頑張っても身体を動かすことができません。
そんな状態でベッドで横たわっていると、浴室の方から「カチャ…」と、また浴室のドアの開く小さな音が聞こえたのです。そしてその後……「ミシッ…」「ミシッ…」とまるで人が歩き回っているような床がきしむ音が聞こえてきました。
それからしばらくして、足音は寝室の前で止まったかと思うと、「カチャ…」ドアを開く音がしました。
「ドアが開いた…!誰かが入って来る…!!」心の中で悲鳴をあげました。
恐怖は頂点にまで達していました。あまりの怖さに、目を開けることができません。
「怖い怖い怖い…!」
目を閉じたまま身動きもできず、何者かが部屋中を歩き回る足音を恐怖に震えながら聞いていました。
どのぐらいそうしていたのでしょうか、しばらくすると足音が聞こえなくなりました。
「いなくなった…??」
「今何時なんだろう? 早く朝が来てほしい……!」
足音もしなくなったので、もう大丈夫だと思いました。
恐る恐る、そっと、目を開けて見ると…
「…!!」
この世の者では無い何かが、私の顔をじぃぃぃぃぃぃっと覗き込んでいたのです……!
その顔は真っ黒で、目しかありませんでした。
私はそのまま気を失ったのか、次に目を覚ました時には朝になっていました。部屋には誰もいませんでしたが、気味の悪いことに、部屋中の床が誰かが水浸しの足で歩き回ったかのように濡れていました。
そのことを、霊感が強い友だちに話すと、「すぐに近くの神社でお札もらって、玄関に貼るように」と、言われました。そして、「深夜のコンビニやファミレスには、人淋しい霊が集まりやすいので、あまり遅い時間には行かないほうがいい」と、言われました。
言われたとおりに、すぐにお札を貼りました。それ以来、金縛りにもあっておらず、家の中で変な事も起こっていません。今思えば、もしかするとあの夜は、よくない霊が家までついて来てしまったのかも知れません……。
みなさまも、深夜の外出時にはどうぞお気をつけください。
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知りたくなかった怖い話…深夜コンビニに行く時の注意 恐怖の理由 #3 – 文・イラスト 犬養ヒロ | ananweb – マガジンハウス