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しがらみの少ないイラストレーターという立場から悩みに答えられたら。
エモくて、かわいくて、ちょっとセンシュアル。そんな、見た人の心を惹きつける作品が大人気のイラストレーター・たなかみさきさん。この秋にスタートしたラジオ『MIDNIGHT CHIME』(J-WAVE)では、なんと、ナビゲーターを担当している。ゲストを迎えたトークや、イラストで答える悩み相談を行う番組のコンセプトは、“深夜の保健室”。イラスト同様、私たちの想像をかき立てる。
「番組にキャラクターがあったほうがやりやすいかなと考えたんです。“ちょっとエッチなお姉さん”みたいなのがいいなと思って、深夜の保健室としました。保健室の先生って、若干、何をしているのかわからないイメージがあって、そういう相手にしか話せないことがあるんじゃないかなと。指図するというより、肯定して受け入れてくれる存在。いろんな考えや個人の世界があると思っているので、番組の中でも多様性などを強調できればいいなと思っています。ただ、イラストレーターという職業柄もあり、上司とかがいるような仕事でもないし、社会に密接に生きる人たちのお悩み相談を受けていいのかなと思っています(笑)。でも、しがらみのない立場だからこそ導き出せる答えもあるのかなと」
一見すると異なるものに思えるイラストとラジオのお仕事。でも、共通したスタンスで臨んでいるという。
「イラストの場合は視覚から想像し、ラジオは言葉を聴いて絵を想像するじゃないですか。発信源は違えど、“最終的には自分で考えてください、決めてください”というスタンスでいることが大事なのかなと思っています。見るか聴くかの違いだけで、私がやっていることは変わらないと思っています」
ラジオを始めてから、私生活に少し変化があったそう。
「収録の時は、ラジオだからと肩肘張らず、人間と人間がしゃべるということを大事にしようとしています。でも、普段、初対面の人と話す時に、“相手の仕事の話をちゃんと聞いてみよう”とか、ラジオ的な意識を持つようになりました。これまでも、聞き役になることは多かったのですが、ちゃんと話を聞いていない節もあったので(笑)。私はシャイで、お酒がないと人とうまくしゃべれなくて。そんな人が頑張って話しているので、夜中ですし、気楽に聴いていただけたら嬉しいです」
ラジオ『MIDNIGHT CHIME』(J-WAVE) 番組に寄せられたお悩みに、たなかみさきさんがイラストを描いて回答。ゲストと繰り広げる、深夜ラジオの醍醐味のひとつともいえる、ゆるくて楽しいトークにも注目です。毎週月曜26時から、J-WAVE 81.3FMにて放送中。公式インスタグラムは@midnight813_
たなかみさき 1992年11月14日生まれ。2017年から東京に拠点を移し、個展の開催や、書籍、雑誌などのイラスト、音楽作品のアートワークを手がけるなど幅広く活動している。著書に『ずっと一緒にいられない』(パルコ出版)。
※『anan』2019年12月4日号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・重信 綾
(by anan編集部)
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