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“末端の冷え”には「玉ねぎ黒こしょうスープ」で気と血を巡らせる。
指先などの末端が冷えるのは、エネルギーや栄養となる気血の巡りが悪く、熱を体の隅々まで運ぶことができていないため。脂っこいものや甘いもの、味の濃いものを多く食べていたり、ストレスが溜まると起こることが多い。気血を巡らせ、体を温める作用があるのは、玉ねぎ。スライスした玉ねぎを炒め、水を加えて3~4分煮て、塩と多めの黒こしょうで味を調えた「玉ねぎ黒こしょうスープ」で、お腹からじんわり温めよう。
“貧血になりがち”な人は血を作る「素焼きアーモンド」を。
貧血は酸素を全身へ運ぶヘモグロビンが不足している状態。女性の場合は、月経時の出血、妊娠や授乳によっても起こりやすくなる症状の一つ。血虚の体質に多いけれど、血液量を増やすというよりは「しっかり働ける血」を作ることが肝心となる。アーモンドは栄養価が高く、さまざまな健康効果があるうえ、胃腸を整えて血を作る働きを持っているのが特徴。コンビニでも簡単に手に入るので、おやつ代わりに食べてもよし。
「きゅうりのしょうが炒め」で“便秘”がスッキリ。
便秘は熱、冷え、気の流れの悪さ、血の不足などで、体の潤い不足と脾や胃腸の働きが低下して起こるものと考えられる。原因はストレス、食べすぎや偏った食生活などさまざま。便秘に効果的なのは、体にこもった余分な熱をおさめる働きを持つ、きゅうり。水分も多く含むので潤いも補える。熱を追い出す発散作用のあるしょうがと一緒にさっと炒め、塩こしょうで味付けすれば、温かい「きゅうりのしょうが炒め」の出来上がり。
血行障害でできる“しみ・くすみ”は「ネバネバ納豆」で予防を。
しみ・くすみの主な原因は、睡眠不足や冷え、暴飲暴食、運動不足などからくる血行障害と腎の衰え。きれいな肌を作るには、血の流れを良くしてドロドロ血を取り除き、腎を補うことが必要に。発酵食品の納豆には、血液をサラサラにして体内にこもった熱をおさめ、内臓を潤す働きがある。よくかき混ぜて、糸がたくさん引いてから食べよう。気の巡りを良くして老廃物を排出する力もあるので、便秘に悩んでいる人にもおすすめ。
“肌の乾燥・ハリ不足”は「たっぷりのごま」で美肌をキープ。
漢方において、肌を管轄するのは肺。なぜなら、肺は呼吸だけを行うのではなく、皮膚の調整、発汗、体温調節などにも関わっているから。数ある食材の中でも、肺を丈夫にして潤す働きが高いのが白ごま。余分な熱を冷まし、肌の乾燥を改善する効果がある。一方、黒ごまには栄養を補って体を元気にしてくれる働きが。どちらも、ご飯、サラダ、おひたし、煮物など何にでも合うので、毎日の食事に積極的に取り入れたい。
櫻井大典さん 北海道北見市の漢方専門店『ミドリ薬品 漢方堂』3代目。Twitter(@PandaKanpo)にて、毎日ゆるゆる健康情報を発信中。著書に『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)などがある。
※『anan』2019年10月16日号より。イラスト・小野寺光子 取材、文・瀬尾麻美
(by anan編集部)
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