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身を滅ぼしてしまうほど純度の高い愛のカタチに憧れます。
「お露は、旗本のお嬢様で身分が高く凛としてますが、心の底で愛の炎を煮えたぎらせている女性。好きな人に想いが届かない怒り、身分違いゆえに会えない狂おしさ、心を開ける人がいない寂しさ…そうした激しい負の感情を大切に演じました」
ピュアの塊のような上白石さん。そうした負の感情をどうやって見つけていったのか不思議。
「寝る前はマイナスなことばかり考えてしまうし、根は結構ネガティブなんですよ(笑)。だから、お露の思考がどこまでも落ちていくところ、すごくわかるんです。私の中にもある小さな失望の種のようなものを膨らませることで、お露をわかろうとしました。でも、好きな人を想って、ごはんが喉を通らない経験はしたことがなくて。まだ、ごはんはいつでも美味しいです(笑)。それで、撮影中に、食べる量を減らしてみたら、お露にのっとられたのか、実際に食べたくなくなったんです。体が変わると心も変わることを、身をもって知ることができました」
「牡丹燈籠」は歌舞伎の演目でもあり、お露を演じたこともある新三郎役の中村七之助さんから、多くのことを学んだそう。
「七之助さんは、美しい所作や視線の使い方など、惜しみなく教えてくださいました。特に質問攻めしたのは、色気の出し方です。監督から『色っぽく演じてほしい』とお願いされても、これまで色気から逃げてきたのでわからなくて(笑)。頼りっぱなしだった七之助さんに、お露が身悶え、事切れる大切なシーンで『本当に可哀想だった』と仰ってもらえて、すごく嬉しかったです」
七之助さんのみならず、キャストには、尾野真千子さん、柄本佑さんと芸達者な役者たちの名前がずらり。
「怪談を演じる以前に、みなさんのお名前を見て身震いしました。すごい作品に参加するんだなって。個人的には、理想のパパである谷原(章介)さんが、意地汚いお医者さんをどう演じたのか、共演シーンがなかったので興味があります。名役者たちの演技合戦、そして、お露と新三郎のパートでは、二人の純度の高い愛の形を楽しんでいただけたら」
『令和元年版 怪談牡丹燈籠』 お家の乗っ取りを企むお国とその間男・源次郎など、男女の色欲が交錯する愛憎劇を、ワイヤーアクションや特殊メイクも取り入れ描く。10月6日(日)22時スタート、NHK BSプレミアムにて全4話放送。NHK BS4Kでは、12月に特別版放送予定。
かみしらいし・もね 1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。10月6日より舞台『組曲虐殺』がスタート。公開待機作に映画『カツベン!』。歌手としても活躍中で、野田洋次郎が書き下ろした「一縷」を歌い、話題に。
※『anan』2019年10月9日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・嶋岡 隆(Office Shimarl) ヘア&メイク・冨永朋子(アルール) インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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