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「最初から、相手のことや企画としてのカタチや条件を考慮すると、選択肢が狭まるだけなんです。どれだけ“わがまま”になれるかがポイント。企画の素であるアイデアは、自分の理想論でいいんです」と、発想法のプロである加藤昌治さん。
目一杯選択肢を広げたら初めて、“ギブ”できる状態に整える。
「企画というギフトを、あげる相手への“思いやり”でラッピングしてあげましょう」
的確なアイデアを“ギブ”する3ステップ!
思いついたモノはすべて書き出す。
アイデア=選択肢。最初の段階では、できるだけ大量の選択肢を出すべし。
「アイデア出しの段階は、とことんわがままに! 『似たようなものがある』『これは予算的に実現できない』と自己判断しないでください」。通常、ここでつまずき、通り一遍のものしか出せない人が多い。「そうしたアイデアには驚きがなく『他にないの?』と言われるのがオチ。アイデアは、恥ずかしくても自分の気持ちや理想に素直であるほどいい。修正は後からいくらでもできますよ」
ちょっとズラしてみる。
自分の経験や知識だけではアイデアの数には、どうしても限界が…。そこで取り入れたいのが、アイデアを“ズラす”ワザ。
「アイデアは選択肢ですから、選択肢が多いほど良い企画が生まれる可能性は高まります。Aというアイデアに対してA’、さらにA’’とズラしていきます。この段階では、どれも切り捨てないこと。自分には微差でも、それは別のアイデアです。ステップ1で出したアイデアを組み合わせたり、並べ方を変えるだけでもまるで違う印象になりますよ」
記憶に残る、インパクトを重視する。
ここで初めて、アイデアを“ギブ”する相手のことを考慮して、提案できる段階に仕上げていく。
「わがままに考えたアイデアに、相手への思いやりをプラスしていきます」。
ただし、思いやりも過ぎるとお節介になるように、相手に合わせすぎるのは考えもの。
「提案を受け取る側にとって知らないことが最大のギフトになり、喜ばれます。出したアイデア=選択肢から、相手にとって新しい発見になるモノという基準で選んだ提案は型通りではなく、あなたらしくなります」
かとう・まさはる 博報堂PR局シニアPRディレクター。マーケティングとマネジメントの両面から企画立案するプロ。著書に『考具』『アイデアはどこからやってくるのか』。
※『anan』2019年7月31日号より。イラスト・中根ゆたか 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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