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1作ではなく、次も売れる。その力がある人が、ブレイク作家。
「ブレイクした作家さんは、新作が出たときの売れ行きの初速が違います。みんなが、“あの人の本が出たんだ!”って、ワクワクして買っていく感じがありますね」
と言うのは新井さん。
「一冊が当たる、というのはある意味多い話なのですが、次も読みたいと思わせる力がないと、連続して売れないし、作家としてブレイクしたとは言えない気がします。とはいえ、本を出すリズムというのも非常に大事で。読者の“次を読みたいな”という気持ちがピークの間に次を出す、といったような、タイミングを読む力も、今の作家には必要な気がします」
新井さんにブレイク作家3人を挙げてもらいました。
“今” を生きていることを感じさせる、注目の歌人。
木下龍也
若い女性たちに意外と人気なのが、短歌というジャンル。木下さんは、そのフィールドで今最も注目されている若き歌人。短歌は短編小説より、もっと言葉を削ぎ落としてつくるもので、言葉が少ないからこそ、いろいろと想像が膨らむところがおもしろい。彼の書く短歌には、現在私たちが使っている“等身大の言葉”が出てくるので、その同時代感がとても楽しくて、ハッとするツイートを読んだときにちょっと感覚が近いんです。でも中には、息が苦しくなるような恋の歌や、自分を嫌いになるような歌を照れることなく撃ってくる。そのバランス感覚が、才能ですね。
木下龍也 1988年生まれ、山口県出身。‘11年より作歌を始め、第41回全国短歌大会にて大会賞を受賞。‘13年、歌集『つむじ風、ここにあります』(書肆侃侃房)を発売した。
『きみを嫌いな奴はクズだよ』 尾崎世界観も絶賛する一冊。ピンク色の装丁も美しく、新井さん曰く、「本棚にあるだけで小気味よい」。¥1,900(書肆侃侃房)
圧巻の書き出しで、読者を不思議な世界に誘い込む。
大前粟生(あお)
文芸好きの間で今すごく盛り上がっているのが大前さん。最新刊の『私と鰐と~』は短編集なんですが、どの作品も、書き出しの1行目がものすごいパワーパンチで、一瞬にして引き込まれます。例えば「ビーム」という話は、「妹の右目からビームが出て止まらない」って書き出しで始まるんです。力が抜けていて、独特。まさに新しい書き手だなって思います。ショート・ショート(特に短い小説のこと)って、オチだけが大事にされがちですが、大前さんの物語はおもしろいままあっさり終わる。その、いい意味のサクッとした存在感がとてもおしゃれだなあと思います。
大前粟生 1992年生まれ、兵庫県出身。‘16年、短編小説「彼女をバスタブにいれて燃やす」が、「GRANTA JAPAN with 早稲田文学公募プロジェクト」で最優秀作に選出され、小説家デビュー。
『私と鰐と妹の部屋』 短いものは見開きで完結する、そんなショートストーリーを53作収録。おかしさと悲しみが溢れる一冊。¥1,300(書肆侃侃房)
芥川賞受賞で注目度アップ。独特の文体を楽しんで。
町屋良平
芥川賞ノミネート2回目で受賞し、今まさに時流に乗っている作家さん。‘18年の『しき』ではダンスをする高校生を描き、芥川賞受賞作の『1R1分34秒』ではボクシングをテーマにしていて、身体的運動と言葉の関係に強いこだわりを感じます。オリジナリティの強い文体で、中学生でも読めるような漢字を、あえてひらがなにしたりもするんです。でも読んでいると、とても気持ちがいい。おすすめの『青が破れる』は、主人公のボクサー的思考が新鮮な青春小説。文庫になり小説の一部分をマンガにしたものが収録されているので小説を読み慣れない人も、入りやすいと思います。
町屋良平 1983年生まれ、東京都出身。高校卒業後、フリーターをしながら小説を執筆し、「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞。今年『1R1分34秒』で、第160回芥川賞を受賞。
『青が破れる』 青年・秋吉は、ひと冬に彼女が死に、友人が死に、そして友人の彼女までも亡くす。マキヒロチのマンガも収録。¥680(河出文庫)
識者・新井見枝香さん 書店員。『HMV&BOOKS 日比谷コテージ』勤務。著書に『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)など。最も気に入った作品に贈る「新井賞」を‘14年に設立。メディアからも注目されている。
※『anan』2019年7月3日号より。写真・中島慶子
(by anan編集部)
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