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マナーの専門家・尾形圭子さんの考える“できる”女性とは、その場に応じて自然と動ける人。
「マナーには基本がありますが、状況によってはその通りに実行できないことも。もし目上の人が席次のルールと違う場所に座ったら、そこを上座と捉え、こちらの席次を変えたり、どう動けば相手に失礼がないかを瞬時に考え、動ける女性は素敵ですよね。そうやって臨機応変に動くためにも、基本をマスターすることは不可欠です」
精神的な余裕も、魅力的に見せるために大切なエッセンス。
「余裕を生み、人としての幅を広げてくれるのがマナーです。こだわりの豆で淹れたコーヒーをお気に入りのカップで飲む。部屋にお花を飾る。そうやって日常生活でのこだわりを持つことでも余裕は出てきます。家の中でだらけてばかりいると、外に出たときもその雰囲気が漏れてしまいますよ」
“気働き”を身につけよう!
相手や状況をしっかり見極めて、思いやりの心を持って、機転を利かせて対応するのが、マナーの基本となる“気働き”。「ドアを押さえるといった小さなことから始めてみましょう」
気働きとは“機転”です。
目配り:相手が何を求めているかの状況観察。
気配り:タイミングよく行動を起こすスキルと知識。
心配り:相手によって対応を使い分けられる柔軟性。
いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”
背筋を伸ばして、美しく立つ、座る。
立ち姿&座り姿が美しくないと、マナーを守ってもすべて台無しに。
「猫背は自信なさげに見え、好感度はマイナス。常に、背骨の上に頭がのっているイメージで背筋を伸ばせば、凛とした知的なイメージを与えることができます」
座ったときにも美しい姿勢をキープするには、腰を立てるように意識するのがポイント。
「腰を立てると猫背にならず姿勢が崩れません。特にPC作業では前のめりになり乱れがち。肘ではなく腹筋で上半身を支えてみて」
【立ち方】
まっすぐ前を見る。あごを引く。デコルテをグッと開く。おへそのあたりで手を重ねる。両膝をくっつける。踵はつけ、つま先を15度開く。
【座り方】
背もたれにもたれない。重ねた手は左手が上。腰を立てて座る。足をきれいに揃える。
いつも公平さをこころがける。
上下関係や性別、肩書などによって態度がブレない芯の強さは、人を引き寄せる大切な条件の一つ。
「丁寧さは必要ですが、必要以上に上司におもねり、後輩には強い口調で命令する。男性には愛想を振りまいて、女性に対してはそっけない…。相手によって態度を変える人は、誰からも信頼を勝ち得ません。周りの人は、あなたが思っている以上に、不公平さを敏感に感じています。後輩だからと偉ぶらず、『お願いね』と声を掛けたり、誰に対しても同じように接しましょう。その余裕こそが、あなたを魅力的に見せてくれます」
おがた・けいこ 全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。
※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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