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『さらざんまい』の見どころを、「まさに“幾原ワールド”といった、エンターテインメントな世界観」と答えてくれた宮野真守さん。ポップでキャッチーな映像の中に人間の本質の部分が映し出されている。そんな一筋縄ではいかない本作の魅力について、宮野さんに語っていただきました。
――宮野さんにとって『さらざんまい』はどんな印象ですか?
宮野:おしり! ですね(笑)。作品を観ていただいた方ならわかると思うんですけど、あのおしりの表現、すごくないですか!? あそこまで堂々とおしりをフィーチャーしたアニメが今まであっただろうか!? というくらい(笑)。作品を観ていない人にとっては全く意味がわからないと思いますが、少しでも気になった方は、今すぐ放送を観てください!
――おしりのシーンはインパクトがすごかったです(笑)。
宮野:ポップでキャッチーな映像演出が目白押しなんですけど、その中にシュールさや、リアリティもあったり、いい意味で常に想像を裏切って、超えていく作品ですよね。それは映像演出だけでなく、物語の面でもそう。人間の本質が作品にしっかりと盛り込まれているんです。今は便利な世の中になったので、忘れられがちだったり、なかなか素直に表現できなかったりする“人とつながりたい”という欲望を、この作品で登場人物たちがさらけ出してきます。まさに。『さらざんまい』だけに(笑)。でもこの“つながりたい”という欲望ってある意味、原始的なものだと思うし、それだけ尊いものだとも思うんです。そんな大事な想いを強く感じてもらえる作品なんじゃないかと、僕は思います。
――収録中、幾原監督に言われたことで印象に残っていることは?
宮野:監督が頭の中にあるビジョンを収録前にみんなに伝えてくれる、というところから毎回作業が始まるんですけど、台本だけでは想像しきれない部分も、本当に細かく伝えてくださったので、しっかり構築することができました。その時に監督がよくおっしゃっていたのが「この作品はエンターテインメントだ」ということ。だから発想が、とても自由で豊か! キャラクターが突飛な動きをするのも、見ていて不思議と納得してしまうんですよね。それはきっと監督が自信を持ってこの世界を作り上げているからなんです。その上でミュージカル的な要素があったり、役者としても挑戦しがいのある演出がたくさんありました。演じていて楽しかったし、監督の話を聞いているのも面白かったですし、さらに出来上がった映像を見てまた驚かされました。幾原ワールドをじっくり体感できた、というのは僕にとって大きかったですね。
ザ・幾原ワールドを体感できて幸せ!
――宮野さんが演じる玲央と相棒の真武は、主人公である3人の少年たちとはまた違った物語を抱えて登場しているんですよね。
宮野:今のところはまだ異質ですよね。何が目的かわからないミステリアスな存在ですが、今後はこの2人の物語も深く描かれていきます。玲央と真武は、常にベクトルがおたがいに向いている。この2人のつながりは非常に強いです。だからこそすれ違ってしまった時の嫌悪感や怒りも強く出る。特に玲央は自分の感情を、真っすぐ出しますし。主人公の少年たち3人は、初めはそれぞれベクトルが違うんですよね。その中で、一緒にいることを選択していくけれども、僕らには自分たちしかいないんです。
――『さらざんまい』のテーマである“つながり”について最近、宮野さんが感じたことは?
宮野:僕の仕事って“つながり”がないと何もできないなってつくづく思いますね。この作品でも、また細谷さんと親友同士の役を演じられたというのは、僕にとって大事なつながりだと思います。今までいろんな作品でいろんな親友役をやってきたので(笑)。『さらざんまい』ではこれまでとはまた違う関係性の役になっていくので、その中でいろんなものを引き出してもらったし、細谷さんとたくさん話しながら収録できて、あらたな発見もありました。マジメな話もできる細谷さんは貴重な仲間です。
――真武役の細谷さんとは、普段どんな感じですか?
宮野:現場では僕がついつい細谷さんをいじっちゃうんです(笑)。細谷さんは「やめてくださいよ、宮野さん」って言う係(笑)。2人きりの時は真っすぐにお芝居の話もするし、すごく貴重な仲間ですね。細谷さんはマジメなんですよ。そもそも僕らが親友役を演じる時って、細谷さんがカッチリな役で、僕が乱していく役っていうことがほとんどなんですけど、普段もけっこうそうかもしれないですね(笑)。『さらざんまい』の大事な回を収録した後、一緒におそばを食べに行きました。今回は、今まで以上に深い関係になる役なので、うれしかったです。
『さらざんまい』 東京・浅草に住む中学2年生の一稀と悠、燕太は謎の生命体・ケッピによってカッパにされてしまう。3人が人間に戻るためにケッピが与えたミッションとは…。フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55~放送中!
みやの・まもる 6月8日生まれ。埼玉県出身。声優であり俳優、歌手。2001年に声優デビュー。近年は劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》出演など、ジャンルを超えて幅広く活躍している。
※『anan』2019年5月29日号より。写真・網中健太 取材、文・尹 秀姫 スタイリスト・横田勝広(YKP) ヘア&メイク・Nakatan(i C+)
(by anan編集部)
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