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【おおしまりえの恋愛道場】vol. 17
言いにくいことを彼に言えない! 苦しい心が抱く本音
彼に対してちょっと気になることがある。それは付き合っていれば誰しもが抱くことです。でも、ちゃんと思ったことをその時彼に伝えられているでしょうか。なかには「彼に嫌われる気がして言えない」なんて内気な態度を取ってしまう女子もいるかもしれません。
でも、言わなくちゃいけないことを嫌われるから……と思って避けると、後々致命的なすれ違いに発生することもあるものです。まずはそのねじれた心理を受け止めて、そしてほぐしていきましょう。
相手に嫌われることを極端に怖がる心理
人から嫌われることは誰だって怖いものです。でも人によっては「嫌われるかもしれないけど、言ったほうがいい」と判断できる人と「嫌われるのが怖いから言わない」と判断してしまう人にわかれます。
その心理の違いのひとつは勇気……ではありません。シンプルに「他人の評価=自分の価値」と、無意識に思っているから、過度にリスクを取って自分の価値を脅かしたくないのです。
ただ、この他人の評価=自分の価値という誤った図式を持ってしまう人のもう少し深い部分にはどんなものがあるのかというと、それは物心ついた時に覚えてしまった “見捨てられ不安” かもしれません。
“見捨てられ不安” とは、両親(または養育者)と適切な愛着関係が幼少期に形成されず、その結果成長してからも相手から見捨てられるかもしれないと強く思い込んでしまう状態です。
自分を無意識に萎縮させ、今度は見捨てられないようにしようと振る舞う行為をさします。冒頭の「彼に対して気になることがあるのに言えない」というのは、まさに見捨てられ不安の典型的な行動のひとつです。
また逆のパターンもあります。見捨てられそうだなと思うから、束縛したり、LINEや電話を送って彼に執着したりするのも、“見捨てられ不安” からくる激情型の行動パターンです。
じっくりしっかり改善させる3つのアプローチ法
他人と自分のボーダーライン(心の境界線)が適切に引けていないからこそ起きる問題なのですが、特に恋愛などでこの “見捨てられ不安” を発揮すると、相手に依存したり、毎回恋愛の最後は破壊的になってしまったりするなど、不幸な結果を繰り返すことになります。
では、どうやって改善させていけば良いのか。もちろん心に溜まったクセは、今日すぐに……とはいきませんが、ゆるやかに改善させていくことは可能です。
・「見捨てられるのが怖い」をしっかり受け止める
まずは、嫌われるのが極端に怖い自分には “見捨てられ不安” がある。という事実を受け止めてみましょう。それはつまり、愛情不足で育った過去や、他人と自分の境界線を適切に引けていない自分がいるということ。そういう複合的に起きる仕組みも一旦しっかりと受け止めることで、気持ちはぐっとラクになるかもしれません。
・自分の中での安全地帯を見つける
愛情不足による愛着の形成が問題である “見捨てられ不安” 。それをオトナになってから築こうとする時、必要なのは親の変わりとなるあなたにとっての愛着形成ができる人です。
ここでいう適切な愛着の形成とは、あなたのことを信頼し、受け止め、そして大切にして見捨てないという行動を取ってもらうことが大事。つまり相手は恋人である必要はありません。
たとえば親友やカウンセラーなどのサポーター。はたまた仕事で信頼できる人や、今から両親との関係性を見直せる人は、親に安全地帯になってもらうのも良いでしょう(なかなか難しいかもしれませんが)。
こうしてオトナになってからもう一度自分は守られている、自分は信頼されている、自分は罪深くないといった気持ちを持てると、自然と周りの人に対しても怖がったり執着したりすることはなくなっていきます。
・言っても嫌われないを経験として覚える
また “見捨てられ不安” は経験の積み重ねで克服することも可能ではあります。例えば「言ったら嫌われるかも」という恐怖を実際行動で確認してみて、「嫌われなかった」という成功体験を蓄積することで、「言われても嫌われることはない」という冷静な判断ができるようになります。
ただしこれは根本的な見捨てられ不安が解消されたわけではありません。そのため「仕事では言えるけど、恋人に対しては言えない」といった、シーンに限定された克服方法になりかねません。対処法のひとつとしては有効ですが、根本的な解決を望むなら、愛着の再形成がどこかで必要になってきます。
普通なら臆病とかシャイといった言葉で片付けられがちなクセ。でも生きづらさにはどこかに理由があるものです。ゆっくり見直し、そして緩めていくことで、より安心と幸せを感じる恋愛はできるのかもしれません。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
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