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――今、さまざまな作品に引っ張りだこですが、ご自身の魅力はどこにあると思いますか?
魅力かどうかはわからないですが、“○○ぽい”ことはやりません。たとえば学園ものなら、“学園ものっぽいな”と思う選択肢は切り捨てる。女優を始めた頃は、そういう“ぽい”ものが思い浮かばず自由にやって、それが私の個性だと褒めていただいていたんです。でも、ある程度いろいろな現場を見させていただき、選択肢が増えてくると、“あ、こういう感じね”とこなそうとする自分が出てくるので、それはやらないようにしています。あくまで日常のなかで、池田エライザとして得たものを使ってやろうとはしています。もちろん、監督に「それは違うよ」と言われたら変えますけどね。
――以前のインタビューで、「こうなりたいと思うような人は作らないようにしている」とおっしゃっていた意味がわかりました。
その人はもういるわけだし、自分がいかに自分を面白くしてあげられるかということに忙しいから、真似をするのは時間がもったいないなって。でも、その代わり、いろんな人のことが好きだし、どんな景色を見ているのか気になって、話を聞きたいって思います。このあいだは、YouTubeでメイク動画を配信している子に声をかけてお話をしました。かわいい子だった…! そこには、自分を過信しないように知識を得ているという感じもあります。そう、いつかは、もっと自分のことを褒めてあげたいですね。疲れた時に自分に対して頑張ったねと思うことはあるけど、“成し遂げたね~!”というのは一度もありませんから。
――ご自身で編集を担当した本を出版したり、また、来年には監督をつとめる映画が公開されます。作り手の立場はいかがですか?
振り返ると楽しいですけど、本当に地獄みたいな時間を過ごしますよね。モデルブックを作った時も、“今、湧いている意欲を逃したくない!”と思っていつも遅くまで作業していました。でも、それが好きなんだと思います。「手を抜いていいのに」と言われたら怒っちゃうと思う。世に出すもの、もし自分が死んだ時に残るようなものは手を抜きたくないんです。それは、お芝居をする立場としても同じ。劇場にお金を払って来ている方がいて、いろいろなことができる人生の2時間をいただいているのだから、少しでも“まあいいや”と思った作品は見せられないなと。お金を払ってもらって恐縮ですっていう気持ちがあるので、観た人を充実させるものでありたい。「申し訳ございません」から発展していったクリエイティブです。そういうところでも、すごくシャイなんだと思います。
――シャイな性格は変えたい?
プライベートでは、はい。だって、飲みにも行けないし。私がいないほうが場が上手く回ると思うから誘われても断っちゃうんです。
――えっ! めちゃくちゃネガティブですね(笑)。
間が悪いので、食い気味にしゃべったりとか、話しかけられていることに気づかなかったりして、みんながズデッとなっちゃうから。まだまだ勇気が出ないですね。偏食だし、普段は一人で同じお店の同じメニューばっかり食べています。最近は磯辺揚げとお米、前は週5~6日で鶏もも肉と柚子胡椒とお米を食べていました(笑)。
――いろいろ挑戦されていますが、やってみたいことはありますか?
映画監督の夢は叶ったので、編集まで駆け抜けたいです。怖がっていたバラエティも頑張りたいし、音楽も、もうちょっとちゃんと作ってみたい。楽しかったらなんでもいいです(笑)。私がやると面白くなりそうなものを、みなさんから募集したいですね。ただ、ボルダリングとかは無理です、引きこもりなので(笑)。家かスタジオでできることでお願いします!
いけだ・えらいざ 1996年4月16日生まれ。福岡県出身。2009年に雑誌『ニコラ』のモデルとしてデビュー。その後、映画『みんな!エスパーだよ!』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、ドラマ『ぼくは麻理のなか』をはじめ、女優としてさまざまな作品に出演。’19年は『映画 賭ケグルイ』などに出演。5月31日にはファースト写真集『pinturita』が発売。
コート¥89,000 パンツ¥56,000(共にAOI WANAKA TEL:03・6805・0029) 靴はスタイリスト私物
『貞子』 ジャパニーズホラーを代表する映画『リング』シリーズの最新作『貞子』が登場。心理カウンセラーの秋川茉優(池田エライザ)は、記憶喪失の少女(姫嶋ひめか)を担当することに。しかし、ある投稿動画をきっかけに彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始めて…。5月24日(金)から全国公開。監督は中田秀夫。
※『anan』2019年5月22日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・福田春美(pinko) ヘア&メイク・豊田千恵 インタビュー、文・重信 綾
(by anan編集部)
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